MCP(Model Context Protocol)の活用
外部サービスとの連携で、開発効率を爆上げしませんか?
「GitHubのIssueをいちいちブラウザで開くのが面倒」「ターミナルからもっと直接的に外部サービスを操作したい」
そんな悩みを解決してくれるのが MCP(Model Context Protocol)サーバー です。Claude CodeにMCPサーバーを追加することで、GitHub、Slack、Notionなどの外部サービスを 自然言語で直接操作 できるようになります。
この記事では、MCPサーバーの基本概念から具体的な設定手順、そして実際の活用例まで、実践的に解説します。あなたの開発ワークフローが革命的に変わる可能性があります。
Claude CodeとMCP:2つの異なる活用方法
まず重要な点として、Claude CodeでMCP(Model Context Protocol)を活用する方法には 2つの異なるアプローチ があります。混同を避けるため、最初にこの違いを明確にしておきましょう。
■1. Claude CodeがMCPサーバーになる機能
claude mcp serve
Claude Code自体を MCPサーバーとして起動 し、他のMCPクライアント(Claude Desktopなど)から接続できるようにする機能です。これは 特定の用途(機能共有、分散環境)に適しており、Claude Codeの機能を外部に提供する役割を果たします。
■2. Claude Code上でMCPサーバーを活用する機能
claude mcp add [サーバー名] [実行コマンド]
Claude Code内で 外部のMCPサーバーを使用 し、GitHub、Slack、Notionなどの外部サービスと連携する機能です。こちらが 日常的な開発作業で高い効果を発揮する、より実用的で一般的な使用方法 です。
■どちらを使うべきか?
アプローチ | 用途 | 実用性 | 対象ユーザー |
---|---|---|---|
Claude Code → MCPサーバー | 機能共有・分散環境 | 特定用途向け | チーム環境での機能共有 |
外部MCPサーバー活用 | 開発効率化・自動化 | 日常的な開発作業向け | 個人・チーム問わず |
この記事では、より実用的な「外部MCPサーバーの活用」に焦点を当てて解説します。
MCPサーバーとは?外部連携の仕組み
MCP(Model Context Protocol) は、LLMが外部のツールやサービスと連携するための標準的なプロトコルです。Claude Codeでは、外部MCPサーバーを追加することで、様々なサービスを自然言語で操作できるようになります。
■MCPサーバーの役割
MCPサーバーは、Claude Codeと外部サービスをつなぐ「橋渡し役」として機能します:
- GitHub ↔ MCPサーバー ↔ Claude Code
- Slack ↔ MCPサーバー ↔ Claude Code
- Notion ↔ MCPサーバー ↔ Claude Code
この仕組みにより、Claude Code内で自然言語を使って外部サービスを操作できるようになります。
■利用可能な主要MCPサーバー
実際の開発現場で高い評価を得ている人気MCPサーバー:
- GitHub MCP Server: リポジトリ管理、Issue/PR操作
- Slack MCP Server: チーム連携、メッセージ自動化
- Notion MCP Server: 知識管理、ドキュメント作成
- Playwright MCP Server: ブラウザ自動化、テスト実行
要するに、「外部MCPサーバーを使うことで、Claude Codeが外部サービスの操作拠点になる」ということです。
MCPサーバーの基本的な追加方法
MCPサーバーの設定は、非常にシンプルなコマンドで行えます。ここでは、最も人気の高い GitHub MCPサーバー を例に解説します。
■基本的なコマンド構文
claude mcp add [サーバー名] [実行コマンド]
■GitHub MCPサーバーの追加
claude mcp add github npx @modelcontextprotocol/server-github
実行すると、以下のような確認メッセージが表示されます:
Added stdio MCP server github with command: npx @modelcontextprotocol/server-github to local config
■設定の確認と管理
追加されたMCPサーバーの状況を確認するコマンド:
# 追加されたサーバーの一覧表示 claude mcp list # 出力例 github: npx @modelcontextprotocol/server-github
# 特定サーバーの詳細確認 claude mcp get github # サーバーの削除 claude mcp remove github
要するに、「数秒で外部サービスとの連携が完了し、すぐに活用を開始できる」ということです。
GitHub MCPサーバーの実践的な設定
GitHub MCPサーバーを実際に使用するためには、認証情報の設定 が必要です。ここでは、その具体的な手順を解説します。
■GitHub Personal Access Tokenの準備
GitHub MCPサーバーを使用するには、GitHub Personal Access Token が必要です:
- GitHub Settings > Developer settings > Personal access tokens にアクセス
- "Generate new token (classic)" をクリック
- 必要な権限を選択(repo、issues、pull requestsなど)
- トークンを生成してコピー
■環境変数での認証情報設定
生成したトークンを環境変数として設定します:
# ターミナルでの一時的な設定 export GITHUB_PERSONAL_ACCESS_TOKEN=your_token_here # 永続的な設定のため .envファイルに追加 echo "GITHUB_PERSONAL_ACCESS_TOKEN=your_token_here" >> .env
■動作確認
設定が完了したら、Claude Codeを再起動して動作を確認:
claude > GitHubのリポジトリ一覧を表示してください
正常に設定されていれば、自然言語でGitHub操作が可能になります。
要するに、「一度の認証設定で、継続的にGitHubとの連携が利用できる」ということです。
実際の使用例と活用パターン
GitHub MCPサーバーを設定すると、以下のような操作が 自然言語 で可能になります。実際の使用例を見てみましょう。
■リポジトリ操作
claude > このリポジトリのREADMEファイルの内容を確認して > 最新のコミット履歴を10件表示してください > ブランチ一覧を表示して、現在アクティブなブランチを教えてください
■Issue管理
claude > 新しいIssueを作成してください。タイトルは「ログイン機能のバグ修正」で、詳細は... > オープンなIssueの一覧を表示してください > Issue #123にコメントを追加してください
■Pull Request操作
claude > 現在のオープンなPull Requestを一覧表示してください > PR #45の詳細情報と変更内容を確認してください > 新しいPull Requestを作成して、レビュアーを指定してください
■ファイル操作
claude > src/components/Header.jsxファイルの内容を表示してください > package.jsonの依存関係を確認して、アップデートが必要なパッケージを教えてください
要するに、「ブラウザを開くことなく、ターミナル内でGitHubの全機能を自然言語で操作できる」ということです。
その他の人気MCPサーバーと活用例
GitHub以外にも、実際の開発現場で高い評価を得ているMCPサーバーがあります。GitHubと同等以上の効果が期待できる、特におすすめのものを紹介します。
■Slack MCP Server - チーム連携の決定版
設定の簡単さ: ⭐⭐⭐⭐⭐ / 効果の高さ: ⭐⭐⭐⭐⭐
# Slack MCPサーバーの追加 claude mcp add slack npx -y @modelcontextprotocol/server-slack # 環境変数の設定 export SLACK_BOT_TOKEN=xoxb-your-token export SLACK_TEAM_ID=your-team-id # 使用例 > 開発チャンネルに「リリース準備完了しました」と投稿してください > 今日のエラー情報をまとめて、バグ報告チャンネルにスレッドで共有してください > #general チャンネルの最新メッセージを確認してください
■Notion MCP Server - 知識管理の強力な味方
設定の簡単さ: ⭐⭐⭐⭐ / 効果の高さ: ⭐⭐⭐⭐⭐
# Notion MCPサーバーの追加 claude mcp add notion npx @modelcontextprotocol/server-notion # 使用例 > 今日の作業ログをNotionの開発日報データベースに追加してください > 新しい機能のドキュメントページを作成して、技術仕様を記録してください > バグ管理データベースから、優先度が高いIssueの一覧を取得してください
■Playwright MCP Server - ブラウザ自動化の決定版
設定の簡単さ: ⭐⭐⭐ / 効果の高さ: ⭐⭐⭐⭐⭐
# Playwright MCPサーバーの追加 claude mcp add playwright npx @modelcontextprotocol/server-playwright # 使用例 > ログインフローをテストして、各ステップのスクリーンショットを撮ってください > 競合サイトの価格情報を定期的に収集してください > フォームの自動入力テストを実行してください
■SQLite MCP Server - データベース操作の効率化
設定の簡単さ: ⭐⭐⭐⭐⭐ / 効果の高さ: ⭐⭐⭐⭐
# SQLite MCPサーバーの追加 claude mcp add sqlite npx @modelcontextprotocol/server-sqlite # 使用例 > データベースのテーブル構造を確認してください > ユーザーテーブルから今月の新規登録者数を集計してください > パフォーマンスが悪いクエリを特定して最適化してください
要するに、「これらの効果的なMCPサーバーにより、チーム連携からデータ管理まで、開発の全領域をClaude Code一箇所から操作できる」ということです。
設定スコープとベストプラクティス
MCPサーバーの効果的な運用のために、設定スコープ と ベストプラクティス について理解しておきましょう。
■設定スコープの種類
MCPサーバーの設定は、以下のスコープで管理されます:
- local: プロジェクト単位の設定(そのプロジェクトでのみ利用)
- project: プロジェクト全体の設定(プロジェクトメンバー間で共有)
- user: ユーザー全体の設定(すべてのプロジェクトで利用)
■推奨する設定パターン
# 個人用のツール(GitHub、Linearなど) claude mcp add --scope user github npx @modelcontextprotocol/server-github # プロジェクト固有のツール(特定のAPI、データベースなど) claude mcp add --scope project custom-api ./scripts/custom-mcp-server.js
■セキュリティベストプラクティス
- 最小権限の原則: 必要最小限の権限でトークンを生成
- トークンの定期的な更新: セキュリティ向上のため定期的にトークンを再生成
- 環境変数での管理: トークンは環境変数で管理し、コードにハードコードしない
■パフォーマンス最適化
- 必要なサーバーのみ追加: 使用しないMCPサーバーは削除
- 適切なタイムアウト設定: 長時間の処理に対する適切な設定
要するに、「適切な設定スコープとセキュリティ対策により、安全かつ効率的にMCPサーバーを運用できる」ということです。
まとめ
今回は、Claude CodeでのMCP(Model Context Protocol)サーバー活用について詳しく解説しました。
- MCPサーバーを使うことで、Claude Codeが外部サービスの操作拠点になる。
- GitHub MCPサーバーなら、リポジトリ管理からIssue操作まで自然言語で実行可能。
- Linear、Sentry、DigitalOceanなど、開発に関わる様々なサービスと連携できる。
- 適切な設定スコープとセキュリティ対策により、安全かつ効率的な運用が可能。
MCPサーバーをマスターすることで、あなたの開発ワークフローは革命的に変化し、ブラウザとターミナルを行き来する時間を大幅に削減 できるようになるでしょう。
次回は、これまで学んだ全ての機能を統合して、「実践的な開発パターンとベストプラクティス」について、日常的な開発フローやチーム連携の具体例を詳しく解説します。