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中級者向け実践ワークフロー

2025年7月12日
Claude CodeワークフローCLAUDE.mdultrathinkTDD実践

Claude Codeの基本操作を覚えた後は、どんな使い方がベストなのでしょうか?

基本的なコマンドや機能を理解した後の次のステップは、実際の開発現場で 効率的に活用できる実践的なワークフロー を身につけることです。単発のタスクをこなすだけでなく、プロジェクト全体を通して一貫した方法でClaude Codeを活用できるようになることが重要です。

この記事では、中級者向けの実践的なワークフローとして、プロジェクトコンテキストの管理体系的な開発手法高度な思考モード、そして テスト駆動開発 の活用方法を詳しく解説します。

プロジェクトコンテキストの永続化:CLAUDE.mdの活用法

はじめに、中級者にとって最も重要な機能である CLAUDE.md を使ったプロジェクトコンテキストの管理について解説します。これは、セッションを越えてプロジェクトの情報をClaude Codeに記憶させる仕組みです。

プロジェクト概要を記録する方法

プロジェクトのディレクトリで、まずプロジェクト全体の要約を依頼します:

> summarize this project

Claude Codeがプロジェクトを分析した後、永続的なメモリファイルを作成します:

> /init

このコマンドにより、プロジェクトルートに CLAUDE.md ファイルが作成され、以下の情報が自動的に記録されます:

  • プロジェクトの概要と目的
  • 使用している技術スタック
  • ディレクトリ構造とアーキテクチャ
  • 開発のガイドラインや規約

コンテキストの継続的な更新

開発が進むにつれて、CLAUDE.mdの内容を手動で更新することも重要です:

claude > プロジェクトに新しくReact Queryを導入しました。CLAUDE.mdを更新してください。

要するに、「CLAUDE.mdを使うことで、セッションを越えてプロジェクトの文脈を維持し、一貫性のある開発支援を受けられる」ということです。

体系的な開発手法:Explore → Plan → Code → Commit

次に、中級者が身につけるべき 体系的なワークフロー について解説します。これは、タスクを段階的に分解して、確実に実装を進める手法です。

1. Explore(探索)フェーズ

まず、既存のコードベースを理解することから始めます:

> このプロジェクトのユーザー認証の仕組みを理解したいです。関連するファイルを教えてください。

Claude Codeは、プロジェクト内のファイルを分析し、認証に関連するコンポーネント、ミドルウェア、設定ファイルなどを特定してくれます。

2. Plan(計画)フェーズ

理解が深まったら、実装計画を立てます:

> OAuth2認証を追加したいです。既存の認証システムを壊さずに統合する計画を立ててください。

3. Code(実装)フェーズ

計画に基づいて、具体的な実装を進めます:

> 計画の第一段階として、OAuth2の設定ファイルを作成してください。

4. Commit(確定)フェーズ

実装が完了したら、適切なコミットメッセージとともに変更を確定します:

> 今回の変更をGitにコミットしてください。適切なコミットメッセージも作成してください。

要するに、「段階的なアプローチを取ることで、複雑なタスクも確実に、そして安全に実装できる」ということです。

高度な思考モード:ultrathinkの活用

複雑な問題に取り組む際は、Claude Codeの ultrathink モードを活用しましょう。これは、より深く、より詳細に問題を分析する特別なモードです。

ultrathinkモードの使い方

特に複雑な技術的判断が必要な場合に使用します:

> ultrathink > このマイクロサービスアーキテクチャで、データ整合性を保ちながらパフォーマンスを向上させる方法を検討してください。現在のトレードオフと、最適な解決策を提案してください。

ultrathinkモードでは、最大31,999トークンの処理深度で、以下のような分析を行います:

  • 問題の多角的な分析
  • 複数の解決策の比較検討
  • トレードオフの詳細な評価
  • 実装の優先順位付け

通常モードとの使い分け

  • 通常モード: 明確で単純なタスク
  • ultrathinkモード: 複雑な設計判断、アーキテクチャの選択、パフォーマンス最適化

要するに、「複雑な技術的判断が必要な場面では、ultrathinkモードを使って深い分析と最適な解決策を得られる」ということです。

テスト駆動開発(TDD)ワークフローの実践

最後に、Claude Codeを使った テスト駆動開発(TDD) の実践方法について解説します。これは、テストを先に書いてから実装を行う開発手法です。

TDDの基本サイクル

  1. Red(失敗するテストを書く)
> ユーザー登録機能のテストを先に作成してください。Jestを使用して、正常系と異常系の両方を含めてください。実装はまだありませんが、期待する動作を明確にしたテストを書いてください。
  1. Green(テストを通す最小限の実装)
> 作成したテストが通るように、ユーザー登録関数を実装してください。まずはテストが通ることを最優先に、シンプルな実装でお願いします。
  1. Refactor(リファクタリング)
> テストが通ることを確認したので、実装をより良くリファクタリングしてください。エラーハンドリングや入力検証を強化してください。

TDDのメリット

  • 明確な仕様定義: テストが仕様書の役割を果たす
  • リグレッション防止: 既存機能の破壊を早期に発見
  • 設計の改善: テスタブルなコードが自然と良い設計になる

要するに、「TDDのサイクルをClaude Codeと一緒に回すことで、高品質で保守性の高いコードを効率的に作成できる」ということです。

まとめ

今回は、Claude Codeを効率的に活用するための中級者向け実践ワークフローについて解説しました。

  • CLAUDE.mdを活用してプロジェクトコンテキストを永続化し、一貫性のある開発支援を受けられる。
  • Explore → Plan → Code → Commitの体系的なワークフローで、複雑なタスクも確実に実装できる。
  • ultrathinkモードを使って、複雑な技術的判断や設計決定において深い分析を得られる。
  • テスト駆動開発のサイクルをClaude Codeと組み合わせて、高品質なコードを効率的に作成できる。

これらの実践的なワークフローを身につけることで、あなたは単なるツールの利用者から、Claude Codeを戦略的に活用できる開発者へとステップアップできるでしょう。

次回は、Claude Codeの可能性をさらに広げる「MCP(Model Context Protocol)の活用」について、Excel操作やブラウザ自動化などの実践例とともに詳しく解説します。