プロジェクトを理解する機能
新しいプロジェクト、どこから手をつける?
「複雑なプロジェクトに参加したけど、どこから理解すればいいかわからない」 「AIにプロジェクトの文脈をうまく伝えられない」
こんな悩みを抱えたことはありませんか?Claude Codeの真の力を発揮するには、単にコマンドを覚えるだけでは不十分です。重要なのは、プロジェクトのコンテキストをAIと共有し、効率的なワークフローを確立すること です。
この記事では、Claude Codeのプロジェクト理解機能の核心である CLAUDE.md の活用法と、実践的なワークフローを通じて、AIと協力してプロジェクトを理解し発展させる方法を解説します。
CLAUDE.md:プロジェクトの「説明書」を作ろう
Claude Codeを効果的に活用するための最初のステップは、CLAUDE.md ファイルの作成です。これは、プロジェクトの文脈、要件、制約をAIに伝えるための「説明書」として機能します。
■CLAUDE.mdの基本作成
claude > /init
このコマンドで、プロジェクト用のCLAUDE.mdが自動生成されます。しかし、本当に重要なのはその 内容をプロジェクトに合わせてカスタマイズする ことです。
■効果的なCLAUDE.mdの構成例
# プロジェクト名 ## 概要 このプロジェクトは、ユーザーが投稿を管理できるブログシステムです。 ## 技術スタック - Backend: Node.js + Express - Frontend: React + TypeScript - Database: PostgreSQL - Authentication: JWT ## 重要なファイル構成 - src/models/ : データベースモデル - src/controllers/ : APIエンドポイント - src/services/ : ビジネスロジック ## 開発時のルール - ESLintとPrettierの設定に従う - テストを書いてからコードを実装する - コミットメッセージは英語で書く ## 現在の課題 - ユーザー認証機能のバグ修正が必要 - パフォーマンス改善の検討中
■段階的にCLAUDE.mdを充実させる
CLAUDE.mdは一度作成したら終わりではありません。プロジェクトの進行とともに 段階的に詳細を追加 していくことが重要です:
# 新しい発見があったとき claude > CLAUDE.mdに新しいAPIエンドポイントの情報を追加してください # 問題が解決したとき claude > 認証機能のバグが修正されたので、CLAUDE.mdの課題セクションを更新してください
要するに、「CLAUDE.mdはプロジェクトの成長と共に進化させる、生きたドキュメント」ということです。
Explore-Plan-Code:3段階のワークフロー
プロジェクトを理解し、新機能を開発する際の効果的なワークフローが Explore-Plan-Code です。これは、調査→計画→実装の段階的なアプローチです。
■1. Explore(探索)フェーズ
まず、既存のコードベースを理解することから始めます:
# プロジェクト構造の把握 claude "このプロジェクトの構造を分析して、主要なコンポーネントとその関係を説明してください" # 特定機能の調査 claude "ユーザー認証はどのように実装されていますか?関連するファイルとその役割を教えてください" # 依存関係の理解 claude "package.jsonを確認して、このプロジェクトで使用されている主要なライブラリの役割を説明してください"
■2. Plan(計画)フェーズ
探索で得た知識を元に、実装計画を AIと共同で 立案します:
claude "ユーザープロフィール編集機能を追加したいです。探索フェーズで理解した構造を考慮して、実装計画を一緒に考えてください"
AIは以下のような計画を提案してくれます:
- データベースモデルの確認・修正
- APIエンドポイントの設計
- フロントエンドコンポーネントの作成
- バリデーション機能の実装
- テストの作成
■3. Code(実装)フェーズ
計画に従って、段階的に実装 を進めます:
# 段階1: モデルの修正 claude "ユーザーモデルにプロフィール情報のフィールドを追加してください" # 段階2: APIの実装 claude "プロフィール更新用のAPIエンドポイントを実装してください" # 段階3: フロントエンドの作成 claude "プロフィール編集フォームのReactコンポーネントを作成してください"
要するに、「Explore-Plan-Codeの3段階で、体系的にプロジェクトを理解し発展させられる」ということです。
プロジェクトコンテキストの効率的な管理
Claude Codeを長期間使用する際は、セッション管理 と コンテキストの継続 が重要になります。
■セッションの継続と再開
# 前回の作業を継続 claude -c # または claude --resume # 過去のセッション履歴を確認 claude -r # recent sessions
■コンテキストの整理とリセット
長い対話でコンテキストが複雑になった場合:
claude > /clear # コンテキストをリセット > 今日のタスクを確認します。CLAUDE.mdを参照して、現在の状況を整理してください
■作業の文書化
重要な決定や変更は、CLAUDE.mdに記録しておきます:
claude "今日の作業結果をまとめて、CLAUDE.mdの進捗セクションに追加してください"
要するに、「セッション管理とCLAUDE.mdを使って、プロジェクトの知識を蓄積・継承できる」ということです。
効果を最大化する実践テクニック
Claude Codeとの協力をより効果的にするための実践的なテクニックを紹介します。
■具体的で明確な指示
曖昧な指示ではなく、具体的な要求を行います:
# 悪い例 claude "コードを良くして" # 良い例 claude "このログイン関数のエラーハンドリングを改善し、適切なエラーメッセージを返すようにしてください"
■AIとのオープンなコミュニケーション
分からないことや疑問点は積極的に質問します:
claude "提案された実装方法について、セキュリティ面での懸念はありませんか?" claude "この変更が既存の機能に影響を与える可能性はありますか?"
■チェックリストの活用
複雑なタスクでは、AIにチェックリストを作成させます:
claude "新機能をリリースする前の確認事項をチェックリスト形式で作成してください"
■早期の軌道修正
実装途中でも、積極的にフィードバックを求めます:
claude "ここまでの実装を確認して、計画通りに進んでいるかチェックしてください"
要するに、「AIを『命令する』対象ではなく、『問題を共に解決するパートナー』として扱うことが重要」ということです。
まとめ
今回は、Claude Codeのプロジェクト理解機能の実践的な活用法について解説しました。
- CLAUDE.mdはプロジェクトの「説明書」として、AIとの文脈共有の中核を担う。
- Explore-Plan-Codeの3段階ワークフローで、体系的にプロジェクトを理解し発展させられる。
- セッション管理とコンテキストの継続により、長期的な知識蓄積が可能。
- AIとのオープンなコミュニケーションが、効果的な協力の鍵となる。
これらのベストプラクティスを身につけることで、Claude Codeは単なるツールから、あなたの開発パートナーへと進化します。
次回は、これらの基礎知識を活用して、実際にコードを生成し改善する「中級者向けワークフローの実践」について詳しく学んでいきます。